2018年08月29日 14:17  カテゴリ:平岩農園について

平岩農園が昔ながらの「種ありぶどう」を育てている理由

※この内容は、にんじんCLUB「畑と台所をつなぐ通信」2018年9月号に掲載されたものです。



 日本のブドウ栽培は、昭和40年頃から、ホルモン剤ジベレリンを使って、種無しデラウェアの栽培が成功しました。いまでは、種無しブドウの栽培と販売が増え、「種ありブドウは食べるのが面倒くさい」と好まない方が増えています。愛知県幸田町で農薬を極力使用せす、種ありブドウを栽培されている「平岩農園」の菜穂子さん。種あり、種無し、両方の栽培をされた経験のある生産者さんてす。8月におたずねして、ブドウ栽培への思いを伺いました。(にんじんCLUB伊勢戸)


自問自答して、昔ながらの種ありブドウへ戻しました。

 ぶどう栽培45年経ちました。私が嫁いで来て、種ありブドウから流行りの種なしブドウ栽培に切り替えて、当時は早めに取り組んだので、とても珍しがられて、よく売れました栽培量も出荷量も増えたのですが、納得がいかない気持ちでいっぱいになってきました。



 種なしブドウはホルモン剤を使って種ができないように抑制する。そして何度も農薬を使う。種なしブドウの栽培はなんだかひ弱の子どもにどんどん薬を使うみたいなことで、草とも共生できず、いつブドウがだめになるか、ひやひやしながら栽培していました。栽培管理が大変なわりに、味もあまりおいしいと感じられない、人工的な味だと思いました。



 そんなとき、主人とヨーロッパの農業視察に行って、主人も私もショックを受けて帰ってきました。もうヨーロッパの農業は、ブドウでもオリーブでも農薬に頼っていない農業でした。このままでいいの?自問自答して、1996年から昔ながらの種ありブドウへ戻しました。戻して良かったです。

 いまは5か所のブドウ園を女性スタッフ5〜6人で栽培しています。大事なところは主人も見てくれていますが、ブドウ栽培は本当に女性向きの仕事だと思います。種あり栽培にして、樹も元気になってきたし、樹の状態を見ながらお世話をするので、自分たちの力量が問われます。それがブドウとの付き合い方のノウハウになって、美味しいブドウになったかどうか、毎年毎年がチャレンジで勉強です。農薬に頼らない分、天候と自分たちの判断や勘を働かせる。責任はありますが、ブドウの味が美味しくなってきたので、結果は出てきたと思うんです。

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 猛暑の8月に訪ねましたが、ふどう園の中は、いくぶん涼しく、お話を伺いやすかったです。干しブドウも加工しているそうで、またいつか、ご紹介したいですね。

 今年の平岩農園さんの生ブドウは、9月の次世代BOXのフルーツやペアBOXに入れる予定です。加工品のジュースは通年ありますので、この号でご紹介します。ぜひ飲んでみてください。お子様には、かなり濃厚なので、炭酸で割ったり、水で薄めると飲みやすいと思います。(伊勢戸)




※この内容は、にんじんCLUB「畑と台所をつなぐ通信」2018年9月号に掲載されたものです。
にんじんCLUBさんでは、平岩農園のぶどうジュースを取り扱っていただいております。
  


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